外資系コンサルタントが作る資料(パワーポイント)は、非常に質が高いと言われています。
通常の事業会社の社員では、到底作成できないレベルの情報量、見た目、説得性を持っています。
私も年間に1000枚以上のパワーポイントのスライドを作成する中で、だんだんと質の高い資料を作成することができるようになりました。
外資コンサルが作る資料の品質が高い理由
- 人を動かすことができる
- 見た目が綺麗
- 内容が洗練されている
この3つの要素が揃うと、非常に質の高いアウトプット(資料)であると言えるでしょう。
ここからは、この3つの要素をさらに詳細に書いていきます。
Contents
人を動かすことができる
資料とは何のためにあるのか?
それは、その資料を見た人、読んだ人に、作成者の意図通りに動いてもらうためです。
もっと言うと、人を動かすことができない資料は、何の価値もないということです。
人を動かすことができる資料とは、目的が明確であり、どう行動すれば良いが明記されているものです。
目的が明確
資料が、何のために存在しているのか、が誰の目にも明確であることが重要です。
- 提案書:買ってもらうため
- 報告書:作業状況等の実施結果を知ってもらうため
- 討議書:論点を議論するため
このように、目的に合わせて、作る資料も変わってきますし、行動してもらう内容も変わります。
さらに、これに加えて、「誰に」向けた資料であるかも重要です。
- 役員:結果と要点
- 管理者:方針と結論
- 担当者:方法と手順
このように、「誰に」向けた資料なのかも明確にすることで、記載する内容も異なってきます。
この目的に合わせた資料の種類と、読んでもらう対象に合わせた内容が考えられていないと、全く見当違いの無価値な資料になってしまいます。
どう動けば良いかが書かれている
資料を読んだ人が、何をすれば良いか、が書かれていることが重要です。
品質の低い資料は、資料を読んだ人が「…で?」となってしまいます。
品質の高い資料は、目的と関連した行動を促すような内容が書いてあります。
- 依頼したい内容
- 判断してもらいたい内容
- 理解してもらいたい内容
見た目にこだわっている
外資コンサルが作成した資料は、非常に見た目も綺麗で、整っています。
- 図形のサイズ
- 図形と図形の幅
- 使われている色
- 強調色
- フォント
- 字の大きさ
など、これら全てに使われている理由があります。
1枚のスライドには、必ず1つの伝えたいメッセージが込められています。
そのメッセージを、いかに分かりやすく、正確に伝えることができるか、を突き詰めたレイアウトになっています。
色、サイズ
コンサルティングファームや、各企業には、それぞれテーマカラーを持っています。
そのカラーに合わせて統一した色をベースにした資料を作ります。
色は、「色相」と「彩度」で、使う色を決めていきます。
図形の位置、サイズもミリ単位で調整します。
図形を並べときに、縦と横がずれていたり、そもそも図形のサイズがずれていたりするのは、もはやプロフェッショナルの仕事ではありません。
提出先のクライアントは、そこまで気にしていないかもしれませんが、コンサルタントが多額の費用をもらって納品する成果物なので、細部にまでこだわります。
目線
人間の目が、パワーポイントのスライドを見る際の目線を計算して、レイアウトを決めます。
人の目線は「Z字」を描いて、動きます。
スライドの左上から始まり、右上、左下、右下の順番に動きます。
そのため、もっとも伝えたいメッセージは、スライド上部に記載します。
何度も修正している
コンサルタントがクライアントに提出する際には、何度も修正が行われた後です。
ただでさえ、時間がない中での作業にも関わらず、少なくとも2、3回、多い場合は5~7回程度の修正が入ってから、クライアントに出します。
そのためには、短期間でドラフトの資料を書き上げる必要があります。
短期間でドラフトを作成
クライアントとの打合せまで2日間しかない場合、最初の半日程度でドラフトの資料を作り上げる必要があります。
大きくマネージャーと認識がずれないように、伝えたいメッセージをまず固めます。
そのメッセージを理解してもらうための、章立て(見出し)を考えます。
そして、各章の内容を表現する情報を集めます。
その後に、一気に書き上げます。
資料を作ろうとして、いきなりパワーポイントを触りだす人は、非常にイケてないです。
修正しやすい構成で作成
資料を作成して、1発でクライアントにも理解してもらえることは99.9%ありえません。
ファーム内での修正、クライアント説明後の修正と何度も修正を重ねます。
修正も素早く行うため、修正しやすい方法で、スライドを作成します。
- スライドマスターを使っていない
- 表ツールを使っている
- 箇条書きの「・」を直接打つ, etc.
こういったNGの作法があるので、絶対にやめましょう。
修正するのは、自分とは限らないので、他人が修正するときに修正しやすい方法で作っておくとチームとしての生産性も向上します。
コンサルタントの資料の質が高い3つの理由
- 資料の対象と目的が明確である
- 見た目が非常に美しい
- 何度も推敲されている
コンサルタントが寝る間も惜しんで、作成している成果物です。
また、クライアントが高い費用を払って、それに見合った成果物を納品する責任があります。
中身だけでなく、見た目にも非常に重要です。
高い指輪でも、新聞紙に包まれて渡されては、台無しです。
コンサルタントの成果物は、見た目も、中身も全てがこだわりの逸品です。
以上です。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
