コンサルの内部リーク

外資系コンサルティングファームはブラック企業?ホワイト企業?

よくコンサルティングファームやコンサルタントの働き方は、ブラックだと揶揄されます。

しかし、実際のところは、ファーム側も非常に働き方を変える動きをしており、夜中まで働いている人はあまりいません。

しかも、ブラックどころかしっかり残業代も支払われますし、なんなら福利厚生もかなり充実しているので、ホワイト企業であると言えます。

実際に外資系のコンサルティングファームで働いている私から実態を書いていきたいと思います。

残業手当、通勤手当も出るし、福利厚生も充実

残業手当

残業手当もすべて出ます。
むしろしっかり残業を記録させるように、パートナー(役員)陣が、管理職(マネージャーからディレクター層)に強く言っているのを見かけます。
特にここ最近(2017年から2019年にかけて)は、この傾向が強いです。
時代に流れもあってか、管理職以上からは「残業した分はしっかり付けてね。」と言われることが多くなりました。
これはファームにもよりますが、はじめから残業代が給与に見込みで入っていることも多いです。
30時間や50時間の見込み残業代がはじめから給与に含まれて支払われているケースです。
ですので、もし残業がそれ未満であった場合、その分は残業をしていなくてもそのままもらえるので、かなりラッキーです。

福利厚生

福利厚生もかなり充実しています。
私がいるファームでは、健康保険、確定拠出型年金制度、カフェテリアプラン等があります。
退職金や家賃補助制度はありません。
私も元々は日系の大手企業で働いていて、かなり福利厚生も充実している企業にいたのですが、正直使っていない制度が多かったです。
もともと使っていた福利厚生の制度が、健康保険、家賃補助(持家購入により失効)、確定拠出型年金、カフェテリアプランだったので、外資系コンサルティングファームに転職しても、あまり遜色がなかったです。
カフェテリアプランでは、健康というキーワードに紐づけて、電動歯ブラシや空気清浄機など便利グッズや、旅行券なども取り揃えられており、かなり充実していると思います。

通勤手当

当然ですが、オフィスまでの通勤費も出ます。
しかも、自宅からオフィスの最寄り駅までの、1か月分の定期代を非課税で賄ってくれるので、かなり助かります。
日本の大企業だとボーナス時に6か月分の定期代を給与の一部(課税対象)として支払われているケースも多いので、この点でも外資系コンサルティングファームの方が、私が優れていると考えています。
さらに、コンサルタントはオフィスだけでなく、クライアント先に常駐したり、地方のクライアントの場合、週一での出張が入ったりする場合もあります。
その場合は、オフィスから別途、クライアントのオフィスの最寄り駅までの交通費も支払われます。
出張の場合も、交通費は当然ながら、出張手当(日当)も支払われます。

研修制度も整備されていてスキルアップも見込める

コンサルティングファームでの研修は、内容が非常に濃いです。
実際に、現役で仕事をしているコンサルタントから直接指導してもらえるので、教科書的な内容に加えて、現場で使えるスキル等も教えてもらえます。
私がいるファームでは、1年間に研修を40時間以上受けることが義務付けられているため、多くのコンサルタントが社内外の勉強会等に参加して、自己研鑽に励んでいます。
日系の会社だと、社員の中でも特に意識の高い人たちだけが、自費でセミナー等に参加して勉強していますが、コンサルティングファームにはコンサルタントのスキルアップを自ら行っていくためのインセンティブ設計がしっかりされているのも特徴の一つです。
外資系のコンサルタントの成長が早いと言われる要因ですね。

炎上プロジェクトにアサインされると一気にブラック企業化する

これまでホワイトな一面を書いてきましたが、当然世間で言われているブラックな一面もあることを紹介しなければなりません。
いわゆる炎上プロジェクトというものにアサインされると、働き方が一気に劣悪になります。
炎上プロジェクトというのは、クライアントもしくはコンサルタント自身の問題により、約束の期限までに想定したアウトプットが提示できずに、それを埋め合わせるために、コンサルタントが鬼のように働かされているプロジェクトのことを言います。
プロジェクトが炎上する原因は多々あるのですが、ここでは炎上した後の働き方について書いていきます。
ひとたびプロジェクトが炎上すると、コンサルタントはもう人間的な働き方はできません。
夜中(2時、3時)まで作業や会議があるのは当たり前になり、タクシー帰りの日々が続きます。
そして、朝は9時から通常通り業務が始まり、眠気も疲れもとれないまま、今まで以上のスピードでアウトプットを出すことが求められ、皆が疲弊していきます。
このような状態が1週間、2週間ならまだ良いのですが、終わりが見えない状態になる場合も多く、1か月、2か月と経っていくと、体調不良の人や、失踪したりと脱落者が出てきます。
そして、このような場合は、残業が100時間を超えることが普通であり、さらにコストもひっ迫しているため残業代も出ない(付けさせてもらえない)ことが多くあります。
こういったプロジェクトにアサインされてしまった場合は、嘘でも良いので、体調が悪くなったと申告し、早く抜けた方が良いです。
別にそういった対応をしたからといって評価に影響があるかというと、一切ありません。
この辺がコンサルタントの良いところで、プロジェクトごとの評価なので、そこで一時的に抜けたとしても別のホワイトなプロジェクトでパフォーマンスを出していれば、問題なく評価され、プロモーション(昇進)していきます。

実力不足のコンサルタントによる口コミも多い

コンサルティングファームの企業の口コミ等を見ていると、ブラックな働き方を強要された旨の書き込みを見かけることも多いです。
しかし、これって入ってみた身からすると、この人自身の実力がなかっただけの場合も多いと感じます。
コンサルタントの業務は、パワーポイントでスライドを作成することがメインになってきますが、これって正解がありません。
質を高めようと思うと、どこまでも追及できますし、資料をレビューするマネージャーが違えば、レビュー観点も違います。
このように、ここまですれば完成、という仕事ではないので、やろうと思えばいくらでも時間をかけることができます。
これは逆もしかりで、クライアントに提示できるレベルの資料にいつまで経っても到達しない場合もあります。
ブラックだと口コミを書いている人は、クライアントに提示できるレベルの資料に、どれだけ時間をかけても到達できない実力がない人も多いのではないかと思っています。(これは個人の感想です。)
例えば、実力が高いコンサルタントと、低いコンサルタントが、同様の資料を作れと言われたとします。
実力があるコンサルタントは、クライアントに提示できるレベルの資料に、業務時間内で到達できます。
しかし、実力がないコンサルタントは、2時、3時まで作業をしても、到達することができず長時間労働したことになります。
コンサルタントは、長時間働いたことなど、何の役にも立たなくて、出したアウトプットの質、結果ですべて評価されます。
実力がないコンサルタントは、長時間働いたにも関わらず、質の低いアウトプットを出して、全く評価されない状況に陥ります。
そういう人に限って、長時間労働したのに報われないなどと言って、憂さ晴らしに口コミを書いていたりするのだと思います。
(あくまで個人の感想です。)

まとめ

コンサルティングファームは、日系の大企業と比較してもホワイト企業です。

ホワイトなところ
  • 残業手当、通勤手当、福利厚生が充実している
  • 研修制度が整備されている
ブラックなところ
  • 炎上プロジェクトにアサインされると、研修を受ける時間ないし、残業手当も出ない。
  • 実力不足だと長時間労働に陥るケースが多い。

以上です。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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