コンサル全般

コンサルタントにとって論理的思考(ロジカルシンキング)が必要な理由

よくコンサルタントの武器は、「論理的に物事を考えられること」だと言われます。

論理的に物事を考えるのは、決してコンサルタントだけの特別な武器ではありません。

ビジネスをする上で、適切なコミュニケーションを図るために、全員に必須のスキルであると言っても過言ではありません。

その中でも特にコンサルタントは、適切に問題を発見し、解決方法を導き出し、納得感のある説明を日々求められているので、他のビジネスマンよりもロジカルに考える頻度が高いと言えます。

現役で外資系のコンサルタントをしてる私が、改めてロジカルシンキングが必要な理由を考えてみたいと思います。

私が考えるロジカルシンキングが必要な理由は3つあります。

  • 適切に問題を発見することができる
  • 納得感のある説明をすることができる
  • 自分の考えをより洗練することができる

これらについて、詳しく解説していきます。

適切に問題を発見することができる

ビジネスって、誰かの問題を解決してあげることの連続だと思います。
それがその人にとっての「価値」であり、その対価としてお金を支払います。

誰かにとっての問題を適切に、効率的に見つけてあげることができれば、それだけ自分のビジネスの種になる可能性があります。

特にコンサルタントは、クライアントの問題を解決することが仕事になっています。
コンサルタントの業務の詳細については、こちらの記事で紹介しています。

問題を見つけるときにも、すでに起こっている事象から因果関係を適切に洗い出し、根本原因を突き止めるところから始まります。

ここで、論理的に物事を考えることができるかが問われます。

問題の設定を間違えると、その後がすべてズレてきて、見当外れの解決策を提示することになります。

納得感のある説明をすることができる

自分の中でいくら論理的に物事を考えて、適切な問題を設定できたとしても、それを相手に納得してもらうことができなければ、価値を生むことはありません。

相手に納得してもらうためにも論理的思考は非常に効果的です。

どうすれば相手が納得するのか?

それは議論の余地をなくしてしまえば良いのです。

議論の余地をなくすための考え方が、「漏れなく、だぶりなく」という考え方です。

この漏れなく、だぶりなくという考え方は、MECE(ミーシー、ミッシー)と呼ばれることも多いです。
また、「網羅感」と表現するコンサルタントもいます。

フレームワークという言葉を聞いたことがある人も多いと思います。

フレームワークとは、その型にはめて考えれば、勝手に漏れなく、だぶりなく要素を検討したり、洗い出すことができるツールです。

なんのためにフレームワークを使うのか、どういう効果があるのかを理解せずに、3Cとか4Pとか言っている人もいますが、非常にお粗末ですね。

フレームワークを使わずとも、網羅的に議論の余地なく、準備をして説明すれば、非常に納得感のある説明をすることができますよ。

検討すべき要素がA, B, Cの3つあった場合。

Aは、〇〇という点で、適切ではありません。
Bは、□□という点で、御社に合っています。
よって、Bを推奨します。

Cの場合は、どうなるの?

Aは、〇〇という点で、適切ではありません。
Bは、□□という点で、御社に合っています。
Cは、△△という点で、今回は検討の対象から除外しています。
よって、Bを推奨します。

なるほど!

このように、本来検討すべき内容を、余すところなく説明できていれば、自然と納得感のある説明をすることができます

そのベースとなるのも、ロジカルシンキングです。

自分の考えをより洗練することができる

これは、自分一人ではなかなか難しいです。
コンサルタントは、基本的にチームで動きます。

そこで、自分が論理的に考えた内容を、他のメンバーに披露します。
その時に他のメンバーや上司から、いわゆる「ツッコミ」を受けます。

ここでいうツッコミは、なんでやねん的な意味ではなく、論理的につながっていない部分のことを言います。

自分以外から論理的に整合が取れていなかったり、検討ポイントの漏れを指摘されることで、より高度な思考に入っていくことができます。

自分一人では到達できなかった次元まで、自分の思考を到達させることができます。

この経験が積み重なり、自身の論理的思考力が強化されていきます。

コンサルタントは、他人からのフィードバックを受ける機会が非常に多いため、かなり短期間で論理的思考力を鍛えることができます。

これを繰り返すことで、非常に質の高い問題設定と解決策をクライアントに提示することができるようになります。

論理的思考は、相手をハッピーにする道具だと思う

冒頭に、ビジネスは誰かの問題を解決することの連続だと書きました。

もし、自分の問題が解決したら、少しハッピーな気分になりませんか?

同じように、誰かの問題を適切に、効果的に解決することができれば、そこで誰かを幸せにできる可能性があります。

論理的思考やロジカルシンキングというのは、一見冷たい印象を受けます。
私もそう思っていました。

感情を消して、事実に基づき、主観を入れない。

確かにそういった一面がありますが、徹底的にロジカルに考えをめぐらせることは、最終的には相手の幸せにつながると考えています。

それがコンサルタントがクライアントに出すべき「価値」であると思います。

ロジカルシンキングが必要な理由まとめ

最後に改めて、にぃやんが考える、ロジカルシンキングが必要な理由をまとめておきます。

要点まとめ
  • 適切に問題を発見することができる
  • 納得感のある説明をすることができる
  • 自分の考えをより洗練することができる

また、ロジカルシンキングは相手を論破するために使うのではなく、相手の問題解決のために使うことで、その価値が最大化します

以上となります。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

外資コンサルに求められる地頭の良さってどういうこと?ってのを解説してみた外資コンサルを受けようと思っている学生の方や、すでに社会人経験があり、中途採用で受けようと考えておられる方は、良くこんなことを耳にすると...
【外資コンサルがおすすめする】コンサルになるための本3選コンサルに転職を考えている人にとって、コンサルになるために知識を得ようとしても、どんな本を読めば良いか分かりません。 世の中にはい...