外資系のコンサルティングファームは、大学を卒業して新卒採用で入社してくる人と、他の企業で働いた後に中途採用で入社してくる人がいます。
新卒入社でも中途入社でも、コンサルタントとして優秀な活躍をする人と、そうでない人に分かれます。
そこで、1つ問題が出てきます。
「できる新卒社員」と「できない中途社員」の給与の差です。
入社して数年(2~3年)経過すると、新卒採用で入社した人がコンサルタントとして独り立ちしてきます。
中途採用で入社してくる人の中には、高い給与をもらいながらも、コンサルタントとしてはあまり活躍できない人も出てきます。
しかも、実際にクビになることはほとんどないという状況があります。
プロジェクトの中で、自分よりもパフォーマンスが出せていない中途採用のコンサルタントが、自分よりも高い給与をもらっている現状に、不満を持ち始める新卒入社のコンサルタントが毎年続出しています。
そういった非常に優秀な新卒コンサルタントの方々への解決策は以下の2つです。
- 高いパフォーマンスを発揮しつつ、最速で昇進をめざす。
- 実績を引っ提げて、転職する。
それぞれについて、解説していきます。
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日系と外資の社員層の違い
外資系のコンサルティングファームと、日系の大企業と大きく異なる点は、「社員の層」です。
日系大企業の社員層
古い日系の大企業は、新卒採用をメインとして採用活動をしているので、中途採用で入社した人の割合が非常に少ないです。
そのため、基本的に日系の大企業には「できない中途社員」はいません。
(いるのは、新卒で入社して、ゆるゆると働いてきたおじさんたちです。)
給与に不満を持つ「できる新卒社員」は、日系の大企業にも多くいると思います。
しかし、日系の大企業に入社する場合は、年功序列というルールを前提に入社していると思いますので、ここに不満を持つのはお門違いとなります。
少し話はずれますが、年功序列は、終身雇用を前提としたルールなので、終身雇用が崩壊が叫ばれる今では、このルール自体ももはや機能しなくなってきますね。
外資コンサルの社員層
外資コンサルは、社員の入れ替わりが激しく、中途入社や退職が頻繁に行われています。
なので、”同年代の同期”のような人は、非常に少ないです。
(もちろん新卒はいますけどね。)
基本的には、他社での実績やスキルを評価されて、コンサルタントとしても能力を発揮できるだろうと見込まれて入社してきます。
転職での入社がほとんどなので、前職での給与を考慮されたり、他の内定先で提示された給与と比較して、給与交渉の上、入社したりする場合も多いです。
そのため、その人自身の能力値と給与の水準が見合っていない場合も、往々にして存在します。
「こんなに仕事できるのに、まだこの役職?」という人もいれば、
「え、この品質のアウトプットしか出せないのに、そんなタイトル(役職)で入社したの?」という人もいます。
上記のような状況は、転職で入社してくる人が多い会社は、普通にあることだと思ってください。
そのために、降格(デモーション)制度もしっかり存在するわけですからね。
優秀な人は実績と役職が見合わなくなる期間が長い
外資系のコンサルティングファームは、年功序列ではなく、実力主義です。
つまり、パフォーマンスを出せている人の役職が上がり、給与も上がっていく仕組みです。
しかし、リアルタイムにパフォーマンスに合わせて、給与が上がっていくわけではありません。
昇進のタイミングは、年に1回や半年に1回などとファームによって設定されており、昇進できる人数の枠も設定されています。
この昇進に関する制限の中で、“優秀な人”は、自分の能力と役職が見合わなくなる期間が長くなってくるので、そこに不満が生じます。
優秀な人は、もちろん自身の成長スピードも非常に速く、スキルの向上も早いため、現状の役職(タイトル)で求められている内容を、1~2年で余裕で達成できるようになります。
そうした時に、昇進の制限が足枷となって、明らかに次の役職に上がっても問題ないレベルの人が、現状の役職にステイする期間が長くなります。
それによって、不満が蓄積していきます。
不満の解決方法① : 最速で昇進を目指す
不満の解決方法の1つ目としては、最速で昇進を目指すことです。
“優秀な人”というのは、当然社内でも有名になりますし、その人を昇進させないといけないという雰囲気もできてきます。
昇進に際しては、当然、中途採用の候補者とも競合することになります。
そこで圧倒的な結果を残していると、年齢を関係なく、中途社員よりも早く昇進することができます。
プロジェクトを進める中で、仕事ができない自分より給料の高いシニアコンサルタントに不満を持つことも多いと思いますが、そこはグッと堪えて、自分のパフォーマンスで、使えないシニアコンサルタントを圧倒しましょう。
そうすることで、プロジェクトマネージャーには、使えないシニアコンサルタントよりもパフォーマンスを発揮していることがアピールできるので、評価会議でのアピールネタにもなります。
日々の業務で不満が溜まるのも理解できますが、自分の業務に集中し、1点突破で昇進を目指すことが、実は不満解消の一番の解決方法です。
不満の解決方法② : 転職をする
2つ目の解決方法は、転職をすることです。
コンサルティングファームに入社した人にとっては、転職は非常に身近なものです。
周囲は当たり前のように、常に転職を意識し、転職活動をしています。
皆、口には出しませんが、定常的に転職エージェントと会って情報収集しています。
コンサルからコンサルへの転職は、基本的に今の役職(タイトル)を上げて転職する場合が多いです。
そうじゃないと転職する意味ないですからね。
使えないシニアコンサルタントへの不満というのは、つまり、自分よりもパフォーマンスが低い社員に対して、自分よりも高い給与が支払われていることの不満です。
なので、自分が早く同様のタイトルになって、同水準以上の給与をもらえるようにすれば良いだけです。
しかし、同じ会社にいると、昇進の制限が足枷になります。
足枷をすっ飛ばして、昇進と同様の効果をもたらす方法が「転職」です。
最近流行っている「ジョブホッパー」と呼ばれる新種のサラリーマンは、この方法を使って、短時間で自分の年収を上げています。
環境のせいにせず、自分事として動けるかどうか
最後に改めてこの記事のまとめを掲載します。
「できる新卒社員」の「できない中途社員」への不満の解決方法は以下の2つです。
- 自分の業務のパフォーマンスを最大化し、最速で昇進する。
- 現状の実績を用いて、転職して給与を上げる。
具体的な解決方法は、この2つです。
今、自分が置かれている環境のせいにして、何も行動しないのが一番良くないことです。
結局、「できない中途社員」への不満を抱えながら、愚痴を言っていても何も状況は変わりません。
既存の昇進制度や給与体系、「できない中途社員」のパフォーマンスの向上など、自分の力でどうしようもない部分に不満を持っていても一向に状況は変わりません。
不満を解決するためには、自分の行動で変化を起こせる部分に注力することです。
自分のパフォーマンスをさらに向上させることも、自分が置かれる環境を変えることも、両方自分の意志で決定できることですよね。
不満の解決の糸口は、自分事として行動を起こすことにあります。
以上となります。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。