外資系コンサルタントは、クライアントから非常に高いフィーをもらって仕事をしています。
一番下のタイトル(役職)でも、1か月に200万~300万円の単価で、クライアントからお金をもらっています。
クライアントがなぜそんな高いお金を払ってまで、コンサルタントに仕事を依頼するのでしょうか。
それは、コンサルタントが持っている2つの強みを使いたいからです。
コンサルタントが持っている2つの強みとは、以下の通りです。
- 物事を分解して理解することができる
- 過去の経験から最適解を探し出すことができる
現役でコンサルタントをしている私が考えるコンサルタントの強みは、この2つです。
これらについて、詳しく解説していきます。
Contents
強み① : 物事を分解して理解することができる
コンサルタントの1つ目の強みは、物事を分解して理解することできることです。
コンサルタントの仕事のメインは、企業の悩み、課題を解決することです。
しかもコンサルタントに仕事を発注できるような企業は、基本的に大企業です。
一部上場企業や、外資系のグローバル企業が、コンサルティングファームに仕事を依頼します。
このような大きな企業は、従業員の数も、組織の数も、事業の内容も多く、複雑です。
そこで生まれる課題や、悩みは、仕事を依頼してきた人でさえ、正確に表現することができません。
コンサルタントとして、このような課題を解決するためには、大きく、複雑な事象を正確に捉える必要があります。
そのためには、大きく抽象的な事象を、細かく具体的な事柄に砕いて考えていくことがポイントです。
ある事象を細かく具体的に理解するために最適なツールが「ロジカルシンキング」です。
物事をロジカルに細分化する
物事を細かく砕いて、具体化していくために最適なツール(考え方)は、ロジカルシンキング(論理的思考)です。
ロジカルシンキングの基本は、「Why so ?」「So what ?」の2つのキーワードで物事を細分化していきます。
(本当は「もれなく、ダブりなく」という概念も重要なのですが、ここでは省略します。)
ある課題、事象が起こっていることに対して、「なぜそれが起こっているのか?(Why so ?)」と問いを立ててみます。
「なぜ?」を繰り返して、事象を細分化していきます。
細分化の事例を以下の図に示してみました。
これは「営業成績が上がっていない」という事象(課題)に対して、「なぜ?」で細分化した事例です。
正確に細分化するためには、論理的に思考する能力が必要です。
コンサルタントは、この論理的に思考する能力が非常に高いので、クライアントはコンサルタントに問題解決を依頼します。
ロジカルシンキングの基本的な考え方は「ロジカルシンキング」に書いてあります。
私が考えるコンサルタントにとってロジカルシンキングが必要な理由も良かったら参考にしてみてください。
細分化を高速化する
ロジカルに細分化できるようになった次のステップとして、細分化の作業を高速化させていきます。
コンサルタントに求められることは、精度の高いアウトプットを、より早く提示することです。
いくら正確な作業で、事象を細分化することができても、遅ければ、あまり価値がありません。
もちろん最初から早くできるわけではありませんので、訓練が必要です。
訓練の方法として、自分の仕事(タスク)を細分化してみることをおすすめします。
仕事を始める前に、どうしたらその仕事を達成できるのかを分解する必要があります。
「会議の設定」を例にして説明します。
会議の設定ぐらいできるわ!って思うかもしれませんが、結構奥が深いです。
会議を設定するには、
- Why : 会議の開催理由
- What : 議題
- When : 時間
- Who : 参加者
- Where : 場所
- How : オンライン/オフライン , 資料印刷/プロジェクターの投影, etc.
みたいなことを考えないと、設定できません。
これぐらいまで細分化すると、やるべきことが明確になりますね。
逆に自分ではできない範囲も明確になるので、周囲にヘルプを求める際にも有効です。
私の場合は、いきなり仕事で、細分化しろと言われても難しいので、まずは自分のタスクで練習しました。
慣れてくると、仕事の細分化も脳内で”秒”でできるようになります。
最初はできないので、紙に書きまくりましょう。
人の脳みそはそんなに良くできていないので、紙(外部記憶装置)に吐き出す方が良いです。
だいたいこんなことを詳しく説明してくれているのが、「ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング」です。
これができるようにあると、複雑な事象を一気に分かりやすく整理することができるようになりますよ。
強み② : 過去の経験から最適解を探し出すことができる
コンサルタントはコンサルスキル(ロジカルさ、コミュニケーション能力など)の基本となるスキルに加えて、自分自身の専門分野を持っています。
基本的には自分が持っている専門知識を活かすことができるプロジェクトにアサインされます。
なので、クライアントが違えど、同じ業界で、似たような課題を解決するプロジェクトが多いことも事実です。
つまり、過去の自分の経験から、今のクライアントの課題を推進することができるのです。
その際は、他のクライアントで検討した内容などを、今のクライアントでも流用できる部分が多く、効率的にプロジェクトを進めることができます。
事象を構造化して他に転用する
実は普段の生活でも、1つの物事から、他の物事を類推することって良くやっていることなんです。
例えば、タッチパネルです。
タッチパネルが世に出てきた当初は、使い方が分からない人も多くいたはずです。
しかし、スマートフォンが普及して、タッチパネルが一般化した後は、ボタンが付いていない画面を見ると、自然と画面をタッチしてしまうのではないでしょうか。
これは、タッチパネル式のスマートフォンを利用したことがあるという経験から、物理的なボタンが付いていない端末は、画面をタッチしたり、指でなぞったりすることで操作するもの、と理解している状態です。
駅のホームで大きなパネルが付いているだけの自動販売機を見ても、画面に映っている欲しい飲み物の映像を指でタッチすることで、簡単に飲み物を買うことができると思います。
おそらくですが、スマートフォンが普及する前に、パネル式の自動販売機が置かれたとしても、使える人は非常に少なかったのではないかと推測できます。
今の説明を図解しました。
これを見て頂くと、1つの事例をもとに、類推することで、ステップを省略することができ、他の物事を効率的に進めることも理解してもらえると思います。
こういった物事の考え方はアナロジー思考と呼ばれていて、これは「アナロジー思考」に詳しく書いてありますので、興味のある方は読んでみてください。
思考の深さと広さがコンサルタントの強み
コンサルタントの2つの強みをご紹介してきました。
改めて2つの強みをおさらいします。
- 物事を分解して理解することができる
- 過去の経験から最適解を探し出すことができる
物事を分解するということは、その物事を深く理解するということです。
ロジカルに物事を理解することは、1つの物事について、深く思考することであると言えます。
一方、過去の経験から類推するということは、1つの事象から複数の事象に考えを展開するということです。
類推(アナロジー)を利かせて、物事を理解することは、複数の物事を効率的に考えることであると言えます。
コンサルタントは、この思考の「深さ」「広さ」を合わせ持っているので、品質の高い成果物を短期間で出すことができるというわけですね。
こういった思考を身に付けるためには、ご紹介した3冊の本を読んでみることをおすすめしています。
思考を深くするための2冊
「ロジカルシンキング」
「ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング」
思考を広くするための1冊
「アナロジー思考」
また、本を読む時間がないという人は、隙間時間を有効活用できるグロービス学び放題も非常におすすめです。
私が実際に使ってみてレビューした記事もあるので、気になる人はそちらも読んでみてください。
以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。