外資系のコンサルタントになったら、おそらく3年程度で転職を考えるタイミングがきます。
2年~3年で一度昇進のタイミングも来るので、そこで昇進できる、できないも転職の大きな契機です。
Up or Outの風潮ではないファームも多くなってきていますが、それでもやはり遅くとも3年で昇進できないとほぼ転職を考えると思います。
コンサルタントを卒業して、次のキャリアを考える際に検討すべきことをまとめます。
- ポイント1 業界の専門性を活かす
- ポイント2 業種の専門性を活かす
- ポイント3 働き方を優先する
コンサルタントは業界、業種が特殊なだけに、ある一つの分野での専門性が高くなることが特徴です。
それを活かして、さらなるキャリアアップ(年収アップ)や、ライフステージに合わせて、ワークライフバランスを優先したキャリアを選択することもできます。
もう少し詳しく見ていきましょう。
Contents
コンサルで得られたスキルを棚卸しする
ポストコンサルを考え始めたときに、はじめに行うことは、自身のスキルの棚卸しです。
コンサルタントとして、対応したプロジェクトから事例ベースで列挙します。
これがそのまま職務経歴書のベースにもなります。
以下のような観点で、自身のキャリアを棚卸しします。
- クライアントの業界
- クライアントの部署、業務内容
- 自分が携わったプロジェクトの概要
- 自分が何を成し遂げたのか
- その中で自分がどのように行動したのか
- 活かしたスキルは何か
- 身に付けたスキルは何か
- 今後、活かせるスキルは何か
- 今後、身に付けたいスキルは何か
これを行うことで、自分ができることと、今度身に付けたいことが明確になり、次にどこの業界に行こうか、業種に行こうか、どの会社に行こうか、などが見えてきます。
ポストコンサルで検討すべき観点
ポストコンサルというか、転職をする際に検討すべき観点ですが、まず自分の今のキャリアを業界と業種に分けます。
業界 | どんな業界のクライアントにコンサルティングをしていたか |
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業種 | どんなコンサルティングをしていたか |
基本的には、このどちらかを軸として、片方の軸をズラすと、良い転職先が見つかります。
ポイント1 業界の専門性を活かす
業界の専門性を活かすというのは、業界の商習慣などに精通していることを強みとした転職をすることです。
コンサルタントでありながら、自動車業界のクライアントに長く携わった場合、自動車メーカーの経営企画のポジションや、製造工場の生産性向上をミッションとした部署の管理職などのポジションが該当します。
これは一般的に、コンサルから事業会社への転職と言われます。
コンサルタントとして、多くの自動車業界のクライアントへサービスを提供している経験を自社で活かしてほしい、という要望からオファー(内定)を受けることもあるでしょう。
業界独特の習慣や、他社の状況などの情報を持っているということも非常に強みになります。
ポイント2 業種の専門性を活かす
業種の専門性を活かすというのは、コンサルタントとしてのスキルを活かした転職をすることです。
コンサルタントのスキルというには具体的には、以下です。
- 問題解決能力(課題設定、解決策提示)
- プロフェッショナリズム(高品質、最後までやり遂げる力)
- コミュニケーション能力(肩書に頼らない調整力)
- 専門性(戦略策定、SCM、人事、財務、テクノロジーなどの知識)
これらのスキルを買われて、事業会社の専門部署からオファーを受けることがあります。
この場合、転職した先の事業会社の社員にはなりますが、またそこで雇われているコンサルタントと共に社内のプロジェクトを回していく役割になることも多いです。
最近多いトピックとしては、セキュリティです。
セキュリティは人材が不足しているにもかかわらず、企業としての対応は急がれるため、どの業界でもセキュリティ人材の採用が盛んに行われています。
コンサルティングファームでセキュリティコンサルタントとして働いていた人が、事業会社の情報セキュリティ部門に転職するパターンなどがこれに当たります。
また、同じコンサルタントのスキルと活かすという意味では、コンサルティングファームからコンサルティングファームへの転職も同様です。
コンサルティングファームへの転職もまた、ポストコンサルのキャリアの一つです。
ポイント3 業務時間や働き方を優先する
これまでのポストコンサルの考え方は、基本的にはキャリアアップを前提としています。
しかし、考え方としては、時間当たりの金額を上げるという意味で、年収は上がらないが、実質の業務時間を短くするというキャリアの考え方もあります。
基本的にコンサルティングファームでの業務は、激務だと言われており、業務時間が非常に長いです。
そのため、給与も高水準ではありますが、いつまでもそのような働き方をしない人も多いです。
日系の大企業では、9時-17時で業務が終わる会社(いわゆるホワイト企業)も多くあります。
コンサルタントとして活躍されている方は、こうした大企業での業務はそつなくこなすことができます。
そのため、年収を同程度に保ちながら、業務時間を短くするという意味で、このようなキャリアを選ぶ人も少なくありません。
最近は、女性だけでなく、男性も家事や育児をすることも珍しくなくなり、夫婦共働きの世帯も多いです。
そうなったとき、片方が激務で年収が高いよりも、双方で業務時間を短くして、ダブルインカムで生活を安定させるという方法も、非常に理にかなっていると思います。
自分の中で何を優先するのかを明確にする
これまでポストコンサルの観点を書いてきましたが、最も重要なのが、自分が今、最も大事にしていることは何なのかを明確にすることだと思います。
- 年収をあげることなのか
- スキルを身に付けることなのか
- 家族との時間を大事にすることなのか
- 副業に時間を割くことなのか
自分のライフステージや、パートナーの考え方も考慮した形で、最も自分に合ったキャリアを選ぶのが良いのではないかと思います。
改めてポストコンサルで検討すべきポイントをまとめます。
- スキルの棚卸し
- 転職の軸を、業界にするか、業種にするか決める
- 今の自分にとって最も優先度の高いことを認識する
以上です。
読んで頂いた方が、より良いキャリアを選択できるようになれば嬉しいです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。